宇宙船

食欲がコントロールできなくなって数ヶ月、病院に行くことを勧められた。
歯止めが効かない苦しさから早く逃れたいけれど、自力でなんとかしたい気持ちもあり、なかなか踏ん切りがつかない。
考えるほどに自分の気持ちがわからなくなる。

「病気を言い訳にしている」「結局は気の持ちようだ」と言われたはずなのに「病気だから診てもらった方がいい」と言われる。
混乱する。
そんな時は、宇宙船に乗った自分を想像して、言葉を受け流す。

わたしは思っていないことを喋り続ける。
過去に言われて傷ついたことを、自分の言葉のように話して笑っている。
そんな自分は気持ち悪い。
この後に及んで、何を望んでいるのだろう。
きっとその言葉を否定してほしいし、無条件に味方でいてほしいのだ。
適当なことを言わないでほしいのだ。
それはきっと本能的なこと。

「自分に甘い」と言われたことが忘れられなくて、もう二度と言われたくないから、死に物狂いで頑張りたい。
そうでもしないと、仕事なんて全然したくないから。
生きることへの希望は全く感じられない。
息のできないところで生き続けるくらいなら、逃げてしまいたい。