どろどろに塗れた身体を洗い流し、癒してくれる泉。
そこには、ふかふかの葉っぱのベッドがあって、やわらかい光があって、夜には満天の星空が見える。
小さくてやさしいものものが、一緒にスープを作ってくれて、一緒に眠ってくれる。
また歩き出せるようになるまで、いつまでもいていいところ。
そして、いつでも戻ってくることができるところ。
私は、両手を広げて、にこにこ笑顔で待っている。
わたしは、安心して、その腕の中に飛びこむ。
お日様と、風のにおい。
風がそよそよ、頬をなでる。
どろどろが癒えたら、風のなかを泳げるようになる。
身軽で、自由で、楽しくて。
だから、いつもこの風を思い出すの。
風とともにあるとき、わたしはわたしに還ることができる。
深く息をする。風を吹き込むように。
あたたかな日差しに包まれた泉。
夜でもあたたかな灯りがともる泉。
いつでもその安息の地に戻ってくることができる。
気持ちの赴くままに、生きていていい。
わたしを取り戻せる。
風にのれるよ。
揺らいでも、どんなに苦しくても、今の私はもう大丈夫。
ふうっと大きく、ひと息ついて。